詩歌作品 【井の頭公園時間差吟行】八月二十二日(日) — 温 八月二十二日(日)温 一つ目の巨人が出たというそれを見に井の頭公園へ行く 日曜の朝7時ってテレビこんなおもしろいんだ…もあったりしつつ バスってのかいこの乗り物はいいねぇとバスをペチペチしてるおじさん 車窓には青い住宅街をゆく人たち... 2021.09.14 うたとポルスカ 詩歌作品
詩歌作品 【井の頭公園時間差吟行】八月十一日(水) — 椛沢知世 八月十一日(水) 椛沢知世 薄い空に蟬声は抜け白鳥のボートを見つつ飲むヨーグルト 電動のろくろ回しの上にいるよう毛づくろいの鴨に水の輪 行く方を迷えば耳に垂れてくるリボン 枝先に結ばれている 紫陽花の一つがまだ青い色してて水の入っ... 2021.09.14 うたとポルスカ 詩歌作品
詩歌作品 【短歌12首】記載した炎 — 新上達也 記載した炎 新上達也 健康のために画面を見る際は目の奥のしずかな雨を聴け 大丈夫としか言えない吹き抜けの天窓の月ほどの遠さで 安全にご利用いただくために死ぬすべての緩衝材に祈りを 太陽が川で沈んでひかってる架空の犬を連れて歩... 2021.08.10 うたとポルスカ 詩歌作品
評 【ブックレビュー】『サワーマッシュ』(谷川由里子) (執筆者:温) この本の表紙は不思議な色をしている。何色と表現すればいいんだろう。遠い国の海の色みたいな感じ。つるつるして光沢のあるこの紙には、「SOUR MASH YURIKO TANIGAWA」と印字されている。 開くと目次が... 2021.04.21 温 評
異郷幻灯 【異郷幻灯】09.風街——染野太朗 旅先で訪れた町や、行ったことはないのになぜか心惹かれる場所、また、旅を詠った詩歌について……。そんな、心の中にある「異郷」をテーマに、自由な切り口からエッセイを書いていただくリレーエッセイ企画、第九回は歌人の染野太朗さんです。 五... 2021.04.12 うたとポルスカ 異郷幻灯
おしらせ 谷川由里子第一歌集『サワーマッシュ』オンライン先行販売&予約開始のお知らせ 左右社より刊行の谷川由里子待望の第一歌集『サワーマッシュ』を、うたとポルスカにて3/31よりオンライン先行販売します。 口語短歌の先鋒として活躍してきた著者の短歌300首を収録。帯文・曽我部恵一、解説・大森静佳。 2021.03.21 うたとポルスカ おしらせ
評 【一首評】木曜日のひびきが好きで有休をとるなら木曜日に休みたい/椛沢知世「りんごの味」(吉田恭大) 木曜日のひびきが好きで有休をとるなら木曜日に休みたい椛沢知世「りんごの味」 分からないときは図に書いてみよう。図に記すその手つきを追っていると、何のことだったのかわかる。まさにいまこの人は図を書いているところ、みたいな把握の瞬間が... 2021.03.01 吉田恭大 評
異郷幻灯 【異郷幻灯】08.ウシュアイア——笠木拓 旅先で訪れた町や、行ったことはないのになぜか心惹かれる場所、また、旅を詠った詩歌について……。そんな、心の中にある「異郷」をテーマに、自由な切り口からエッセイを書いていただくリレーエッセイ企画、第八回は歌人の笠木拓さんです。 子ど... 2020.12.25 うたとポルスカ 異郷幻灯
詩歌作品 【短歌8首】太陽の位置で方角がわかる — 相田奈緒 太陽の位置で方角がわかる相田奈緒 十月の頭に胸を破られて破れ目を出たり入ったりした まばたきをすればこぼれる、ばちん、ぼたん、太陽がぐんぐんと朝を昇る 蜘蛛が壁の高いところへ向かってる下でドライヤーをかけている 電球が切れてはずし... 2020.12.25 うたとポルスカ 詩歌作品
詩歌作品 【俳句20句】オールドファッション — 福田若之 オールドファッション福田若之 紙のやわらかみ咳して思い出す 揺れうごく昼夜の末の枯れすすき 山並みが遠吠え色に暮れる冬 しぐれては木の実が土のうえに照る 水の涸れた筋目を鹿が駆けのぼる 風は樹のまなざし冬の野を届く 冬眠の... 2020.12.25 うたとポルスカ 詩歌作品