【短歌8首】太陽の位置で方角がわかる — 相田奈緒

    太陽の位置で方角がわかる    相田奈緒

十月の頭に胸を破られて破れ目を出たり入ったりした

まばたきをすればこぼれる、ばちん、ぼたん、太陽がぐんぐんと朝を昇る

蜘蛛が壁の高いところへ向かってる下でドライヤーをかけている

電球が切れてはずした何日か前 ここでひねりながら伸びながら

獅子型のドアノッカーの鼻先の下にある影 触る手の影

夢の中の私は喋ったことがないナッツを買って乗るエレベーター

毎朝に夜明けがあってもったいない今ある色で顔はあふれる

アコーディオンの吹子の行きつ戻りつのなかの力を思い出してくる

◇相田奈緒(あいだ なお)
北海道出身。東京都在住。短歌人会所属。
https://note.com/aidana

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