短歌作品

短歌作品

【短歌7首】あとだし — 光森裕樹

  あとだし    光森裕樹 子に繁りゆく島弁を或るところまでは矯しつのち諦めつ ながれだまは避けられないがMarinesのキャンプに沿ひて子の自転車を押す 訓練の先に実戦はあるのだらうスパイク痕が塁を繫ぎぬ ――石投ぐる資格なければ其の...
短歌作品

【短歌30首】ドゥ・ドゥ・ドゥ — 谷川由里子

  ドゥ・ドゥ・ドゥ    谷川由里子 まばたきで恋に落ちたら バック・トゥ・ザ・フューチャーのドクの胸飾り 3ヶ月先の寒さの完璧なムーンウォークを思い浮かべる 月がひかってる月がひかっているチャンスを棒に振るように生きて 木が...
短歌作品

【短歌20首】初夢 — 原田彩加

  初夢    原田彩加 占いの看板の灯を過りつつ現状維持のまま冬がくる 水たまりに浮かぶイチョウの小ささは疎遠になった人の小ささ 同じ生地で作られているスカートと地下鉄の駅にてすれ違う 変わらない水面を漕いでゆくように一日一往...
短歌作品

【短歌7首】水のほつれ — 小田島了

  水のほつれ    小田島了 傷つくほどの重みもなくて散らばったグラスの破片を踏んづけていく おそらく水がたまるのだろう裏口に親指ほどの苔のかたまり 内側につぶれるように向日葵が枯れてしずかに苦を抜けていた 柑橘類の果肉のように透きとお...
短歌作品

【短歌8首】砂糖の森 − 睦月都

  砂糖の森    睦月都 霜月の森に入れば甘い匂ひ いづれ会ふまでの時間を歩く とまり木にとりどりの鳥、鳥は鳥の骨格通り羽を広げる 刀鍛冶のごとくに研ぎてしならせて鳥は尾羽のするどさ保つ やはらかな鱗の覆ふまなぶたが音無く落ち...
短歌作品

【短歌12首】りんごの味 – 椛沢知世

  りんごの味    椛沢知世 タピオカに生まれるはずが間違えたようなニキビを眠るまで触る 手首から慣れないにおいいいにおいいつもより顔まわりを触る 目がかゆいのは春か秋 友だちの誕生日だいたい覚えてる かわいいと人に言われてつぶやけば口...
タイトルとURLをコピーしました