詩歌作品

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【短歌20首】アドベントカレンダー — 笠木拓

    アドベントカレンダー    笠木拓   枕辺のノートに岸と岸つなぐスパイラルあり朝につめたし うつしよの丘なるZOOへ秋晴れと呼ぶのもきっと最後の午後に 内腿はほのかに斑の淡いこと見せつつよぎりゆくきりんかな からっぽな湯殿のふち...
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【短歌25首】ひらめくのは — 相田奈緒

    ひらめくのは    相田奈緒   換気扇回ってる音  朝食の後の時間の体の具合 ユーモアがからからになる私にもユーモアのある生活があった おはじきのなかを流れている黄色  雪の匂いはしつこいくらい とんがりコーンを口に入れながら朝...
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【短歌15首】些事 — 安田茜

些事安田茜 限界が背中のあたりまで来てるホログラムっぽい雷雨をみてる 依存先を提供しますそのかわりわたしの廃道になりなさい コンビニを出ればたばこが香るんだいつもふんわりいつもの夜に こわれてるこころのほうが向いているおしごとをしていま...
おしらせ

涌田悠第四歌集『川風の星』 抄

涌田悠第四歌集『川風の星』は2022年3月に上演された同名のダンス公演と共に制作されました。この度、うたとポルスカでの販売に合わせ、収録作から涌田さんに自選していただいた8首をご紹介します。 オンラインストアでの取扱いはこちら ...
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【短歌30首】そばの花 — 鈴木ちはね

そばの花鈴木ちはね 霧雨につつまれながら交差点の対角にあるガスステーション 中野区を注意深く歩いているとまれにある新社会党のポスター サスティナブル・ディベロップメント・ゴールズ雪が降って楽しかった記憶 フィットネスクラブが地域最大級だ...
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【短歌50首】月とコロッケ — 谷川由里子

月とコロッケ    谷川由里子 夢の書庫天にむかって髪を結う才能はもうあなたを書庫に 屏風にはアイススケートリンクと蔦を「蔦の人工氷図屏風」 むきだしのユリのめしべも花束もスターもスターのプロマイドも あんな上で固まっている風見鶏〈...
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【短歌20首】素描 — 笹川諒

素描    笹川諒 いつだって造語のようなすずしさで秋は来るのださびしくはない 薄い緑の少年、川魚の暮らし、ありふれた門、という夢のメモ 思うのは野の笛という言葉だけ憑かれたように階段のぼる 鏡文字の柄のパジャマを着たいけど検索して...
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【短歌7首】ふくみわらい — 丸山るい

ふくみわらい   丸山るい かなしみが鼻と目玉を通過しておかしな顔をあなたにさせた 顔のしみにわかにふえて蜘蛛の子の殖えてまひるの月を横切る 鳩が思うより自動車はすばやくてときどき轢かれてしまうわかるよ ふくみわらいのように...
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【短歌15首】TOKYO 2020 (2) — 牛尾今日子

TOKYO2020 (2)    牛尾今日子 ぜんぶ終わればお花見に行くさかずきはだまされた人・だました人へ  * 後ろボタン式のブラウス 後ろ手にボタンがとまったのを確かめて 目覚ましが鳴っているのを罵りと聞くうちに二度寝して見る...
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【短歌7首】アイスホテル — 沢茱萸

アイスホテル    沢茱萸 傷ついた心を癒やす友だちや恋人蜂蜜に浮いた蜂 旅をする想像をするだけでもう哀しいカルダモン抜きのチャイ ノルウェーの氷のホテルに家具はない吐息がしろく見えているだけ かわいいおじさんのうしろになら...
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