【短歌12首】うろ — 杉本茜

    うろ    杉本茜

あなたに潜む異邦人を探りあて踊るよあなたを除け者にして

paper moon, paper water 洗われて目が焼けるほどぴかぴかの指

犯罪を口にふくめば舌先がまろみや角を探ろうとする

針の筵 あなたはわたしを駆け下りて擦り傷だらけの脛をこさえる

理想の雪女を作ろう! 愛と剽窃で揉みくちゃの雪女

じきに別れる体と魂なのだから結び目のようなピースサインを

プリマ跳ぶ というより浮く 苛烈なものをはだかにすると現れる羽

鰐の皮膚が鞄になるまでの時間を鞄職人は引き受ける

剥いても剥いても身の白い蟹、かろうじて人の顔を判別できる夢

手はあなたのパーツで最も他人に近く、あなたの手にかかるライスシャワー

服を売り払えば服に棲みついたさもしい幽霊たちとはお別れ

泳ごう死ぬまでの贅沢品として腕に顔に触覚を浴びせて

◇杉本茜(すぎもと あかね)  2000年生まれ。2015年に短歌を始める。見る/見られる。読者になってくださった方に感謝します。ありがとうございました。



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