詩歌作品 【短歌12首】somewhere — 法橋ひらく somewhere法橋ひらく エネオスの白いひかりを過ぎていく冬の遅番勤務のあとで もういちど護られたいなレギュラーと窓と灰皿若かった父に 満タンになってしまって空っぽの、来年の冬ここにはいない * 角切りの牛肉ビーフがマジ... 2020.04.10 うたとポルスカ 詩歌作品
詩歌作品 【短歌7首】あとだし — 光森裕樹 あとだし光森裕樹 子に繁りゆく島弁を或るところまでは矯しつのち諦めつ ながれだまは避けられないがMarinesのキャンプに沿ひて子の自転車を押す 訓練の先に実戦はあるのだらうスパイク痕が塁を繫ぎぬ ――石投ぐる資格なければ其の者を石へと投... 2020.03.24 うたとポルスカ 詩歌作品
異郷幻灯 【異郷幻灯】04.マルタ島——川野里子 旅先で訪れた町や、行ったことはないのになぜか心惹かれる場所、また、旅を詠った詩歌について……。そんな、心の中にある「異郷」をテーマに、自由な切り口からエッセイを書いていただくリレーエッセイ企画、第四回は歌人の川野里子さんです。 ... 2020.03.24 うたとポルスカ 異郷幻灯
異郷幻灯 【異郷幻灯】03.馬山——山崎聡子 旅先で訪れた町や、行ったことはないのになぜか心惹かれる場所、また、旅を詠った詩歌について……。そんな、心の中にある「異郷」をテーマに、自由な切り口からエッセイを書いていただくリレーエッセイ企画、第三回は歌人の山崎聡子さんです。 た... 2020.03.12 うたとポルスカ 異郷幻灯
異郷幻灯 【異郷幻灯】02.リル——水原紫苑 旅先で訪れた町や、行ったことはないのになぜか心惹かれる場所、また、旅を詠った詩歌について……。そんな、心の中にある「異郷」をテーマに、自由な切り口からエッセイを書いていただくリレーエッセイ企画、第二回は歌人の水原紫苑さんです。 ... 2020.01.27 うたとポルスカ 異郷幻灯
詩歌作品 【短歌30首】ドゥ・ドゥ・ドゥ — 谷川由里子 ドゥ・ドゥ・ドゥ谷川由里子 まばたきで恋に落ちたらバック・トゥ・ザ・フューチャーのドクの胸飾り 3ヶ月先の寒さの完璧なムーンウォークを思い浮かべる 月がひかってる月がひかっているチャンスを棒に振るように生きて 木が根から抜かれる... 2020.01.24 うたとポルスカ 詩歌作品
詩歌作品 【短歌20首】初夢 — 原田彩加 初夢原田彩加 占いの看板の灯を過りつつ現状維持のまま冬がくる 水たまりに浮かぶイチョウの小ささは疎遠になった人の小ささ 同じ生地で作られているスカートと地下鉄の駅にてすれ違う 変わらない水面を漕いでゆくように一日一往復のメールで... 2020.01.24 うたとポルスカ 詩歌作品
詩歌作品 【短歌7首】水のほつれ — 小田島了 水のほつれ小田島了 傷つくほどの重みもなくて散らばったグラスの破片を踏んづけていく おそらく水がたまるのだろう裏口に親指ほどの苔のかたまり 内側につぶれるように向日葵が枯れてしずかに苦を抜けていた 柑橘類の果肉のように透きとおり日なたの水... 2020.01.15 うたとポルスカ 詩歌作品
異郷幻灯 【異郷幻灯】01. トルコ——石原ユキオ 旅先で訪れた町や、行ったことはないのになぜか心惹かれる場所、また、旅を詠った詩歌について……。そんな、心の中にある「異郷」をテーマに、自由な切り口からエッセイを書いていただくリレーエッセイ企画です。第一回は俳人の石原ユキオさん(@yuki... 2019.12.25 うたとポルスカ 異郷幻灯
詩歌作品 【短歌8首】砂糖の森 − 睦月都 砂糖の森睦月都 霜月の森に入れば甘い匂ひいづれ会ふまでの時間を歩く とまり木にとりどりの鳥、鳥は鳥の骨格通り羽を広げる 刀鍛冶のごとくに研ぎてしならせて鳥は尾羽のするどさ保つ やはらかな鱗の覆ふまなぶたが音無く落ちぬ、鳥の眠りに... 2019.12.25 うたとポルスカ 詩歌作品