ドゥ・ドゥ・ドゥ 谷川由里子
まばたきで恋に落ちたら バック・トゥ・ザ・フュ丨チャ丨のドクの胸飾り
3ヶ月先の寒さの完璧なム丨ンウォ丨クを思い浮かべる
月がひかってる月がひかっているチャンスを棒に振るように生きて
木が根から抜かれるところ見たあとに声変わりするほど深く寝た
レモンティ丨の香りとわかるこのホットケ丨キシロップこの世の限り
傘の杖 モ丨ルス信号送るから どこかできみが泣かないように
コ丨ヒ丨カップに珈琲の跡 ままならない私たちのコミュニケ丨ション
猫の舌が爛れたわけを考える王冠もイ丨ジス艦もゆっくり沈む
鎧には鎧を重ねられなくて新しいスプ丨ンで召し上がれ
ルビ丨の耳飾り 空気が見に来てくれて 時々ルビ丨と空気が動く
首里城が燃えているのを肉眼でみているひとをテレビでみてる
台風の過ぎたばかりの満員の電車に落ちてるけろけろけろっぴ
神がかってる日は笑いながらタ丨キ丨がとれる次がダメでもスペアにできる
バルセロナバルセロナに行くその日までバルセロナに行くまでのこの日々
お布団を噛み締めているほんとうに噛んだら羽毛があちこちに飛ぶ
友だちの実家の林檎たべるまで花の代わりに玄関に置く
ピアノ、ピアノ、88の鍵盤の 冬の展望台の空気の
スモ丨キ丨なチ丨ズと太陽系の外側から近づく彗星の画像と
肩車をしたい気持ちで冬の日と晩ごはんの買い出しをする
カナブンを片っ端から静寂に放つわたしはこんなに元気
宝箱みたことないからみつけたら青空のした釘付けになるかも
宝箱みたことないからみつけたら青空のした釘付けになるかも
金色の扇子を開くときの顔で、バ丨スデ丨・ソングを歌い出すひと
バ丨スデ丨・ソングは歌い出す前の表情さえもバ丨スデ丨・ソング
すっぽりと月がみずからポケットにもぐってしまう恋に落ちたら
清志郎の低いジャンプも今がいいカ丨ル・ラガ丨フェルドの白髪
千四百円のフィッシャ丨マンニットを着て千四百円の価値を上げたいな
恵比寿ガ丨デンプレイスは一年中イルミネ丨ションがあるからね
赤星があるならいつも赤星で雰囲気が味わいを変えるよ
あれはたぶん壊れた針をふたつとも外した梟の掛け時計だ
ずっと月みてるとまるで月になる ドゥッカ・ドゥ・ドゥ・ドゥッカ・ドゥ・ドゥ