【短歌8首】砂糖の森 − 睦月都 詩歌作品 2021.03.07 2019.12.25 砂糖の森 睦月都 霜月の森に入れば甘い匂ひ いづれ会ふまでの時間を歩く とまり木にとりどりの鳥、鳥は鳥の骨格通り羽を広げる 刀鍛冶のごとくに研ぎてしならせて鳥は尾羽のするどさ保つ やはらかな鱗の覆ふまなぶたが音無く落ちぬ、鳥の眠りに 冬にみる夢のやうなる青き実をちりばめてゐる薮茗荷かな 外で少し眠るとからだが冷えてゐて、さういへばさうだつた気がする まだ青いどんぐりの実が落ちてゐる ふざけてゐて落下した子供 蜘蛛のアパートメントと砂糖の木 十一月は夜に近づく