短歌

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【短歌7首】アイスホテル — 沢茱萸

アイスホテル    沢茱萸 傷ついた心を癒やす友だちや恋人蜂蜜に浮いた蜂 旅をする想像をするだけでもう哀しいカルダモン抜きのチャイ ノルウェーの氷のホテルに家具はない吐息がしろく見えているだけ かわいいおじさんのうしろになら...
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うたとポルスカ通信vol.2 井の頭公園時間差吟行編+特別ゲスト作品公開のおしらせ

2021年8月29日、第2回オンライン短歌市開催にあわせて期間限定配布しました「うたとポルスカ通信vol.2」の内容に、今回新たに特別ゲストをお招きし、Web公開します。 「うたとポルスカ」のフリーペーパー第2弾。今回は『井の頭公園...
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【井の頭公園時間差吟行】八月二十三日(月) — 吉田恭大

八月二十三日(月) 吉田恭大 音のする方へ水門通りを下り、下るとそこに水門がある 行き交えば犬と歩いている人と、犬を抱えて歩いてる人 平日の夜に明るい改札を背にして出てくるのも市民たち この池に鴨を放したことがあり、その後の...
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【井の頭公園時間差吟行】井の頭池をそぞろ巡りて 九月五日(日) — 奥村晃作(特別ゲスト)

井の頭池をそぞろ巡りて 奥村晃作 整理券持たざる我は動物園入はいれず池の巡りを歩く コナラとう名なれど古木大樹にて苔蒸す幹を枝をし見上ぐ エゴの樹はまん丸の小ちさき青き実を葉は間あいに付けて池のべに立つ 作りたる己おのが網いの巣の中...
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【井の頭公園時間差吟行】八月十五日(日) — 原田彩加

八月十五日(日) 原田彩加 雨の日は視線が下がりがちになる水面のツツイトモを見ている 見るべきは池の水草、水草に刺さった缶の底の銀色 水中で生きるタイプの水草が雨の日は手を伸ばそうとする 雨ざらしのチラシをもらうしっとりと湿ったそ...
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【井の頭公園時間差吟行】八月二十一日(土) — 睦月都

八月二十一日(土) 睦月都 葉洩れ陽を白い日傘にうけるとき浮きあがる屋上遊園地 鳥獣保護区に入りつつ反芻してゐたり女のひとの子どもを産む夢 サンペレグリノの緑の瓶をつたひゆく汗・ねむくなる・ひとりでゐると ひぐらしの水面さわだつこゑ...
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【井の頭公園時間差吟行】八月二十二日(日) — 温

八月二十二日(日)温 一つ目の巨人が出たというそれを見に井の頭公園へ行く 日曜の朝7時ってテレビこんなおもしろいんだ…もあったりしつつ バスってのかいこの乗り物はいいねぇとバスをペチペチしてるおじさん 車窓には青い住宅街をゆく人たち...
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【井の頭公園時間差吟行】八月十一日(水) — 椛沢知世

八月十一日(水)  椛沢知世 薄い空に蟬声は抜け白鳥のボートを見つつ飲むヨーグルト 電動のろくろ回しの上にいるよう毛づくろいの鴨に水の輪 行く方を迷えば耳に垂れてくるリボン 枝先に結ばれている 紫陽花の一つがまだ青い色してて水の入っ...
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【短歌12首】記載した炎 — 新上達也

記載した炎 新上達也 健康のために画面を見る際は目の奥のしずかな雨を聴け 大丈夫としか言えない吹き抜けの天窓の月ほどの遠さで 安全にご利用いただくために死ぬすべての緩衝材に祈りを 太陽が川で沈んでひかってる架空の犬を連れて歩...
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【短歌8首】太陽の位置で方角がわかる — 相田奈緒

太陽の位置で方角がわかる相田奈緒 十月の頭に胸を破られて破れ目を出たり入ったりした まばたきをすればこぼれる、ばちん、ぼたん、太陽がぐんぐんと朝を昇る 蜘蛛が壁の高いところへ向かってる下でドライヤーをかけている 電球が切れてはずし...
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