異郷幻灯

【異郷幻灯】08.ウシュアイア——笠木拓

旅先で訪れた町や、行ったことはないのになぜか心惹かれる場所、また、旅を詠った詩歌について……。そんな、心の中にある「異郷」をテーマに、自由な切り口からエッセイを書いていただくリレーエッセイ企画、第八回は歌人の笠木拓さんです。  子ど...
詩歌作品

【短歌8首】太陽の位置で方角がわかる — 相田奈緒

  太陽の位置で方角がわかる   相田奈緒 十月の頭に胸を破られて破れ目を出たり入ったりした まばたきをすればこぼれる、ばちん、ぼたん、太陽がぐんぐんと朝を昇る 蜘蛛が壁の高いところへ向かってる下でドライヤーをかけている 電球が切...
詩歌作品

【俳句20句】オールドファッション — 福田若之

  オールドファッション    福田若之 紙のやわらかみ咳して思い出す 揺れうごく昼夜の末の枯れすすき 山並みが遠吠え色に暮れる冬 しぐれては木の実が土のうえに照る 水の涸れた筋目を鹿が駆けのぼる 風は樹のまなざし冬の野を届...
異郷幻灯

【異郷幻灯】07.弘明寺——平岡直子

旅先で訪れた町や、行ったことはないのになぜか心惹かれる場所、また、旅を詠った詩歌について……。そんな、心の中にある「異郷」をテーマに、自由な切り口からエッセイを書いていただくリレーエッセイ企画、第七回は歌人の平岡直子さんです。  異郷...
異郷幻灯

【異郷幻灯】06.モンゴル——大森静佳

旅先で訪れた町や、行ったことはないのになぜか心惹かれる場所、また、旅を詠った詩歌について……。そんな、心の中にある「異郷」をテーマに、自由な切り口からエッセイを書いていただくリレーエッセイ企画、第六回は歌人の大森静佳さんです。  「旅...
詩歌作品

【短歌7首】TOKYO 2020 — 牛尾今日子

  TOKYO 2020    牛尾今日子 ほんまそれって敬体で言う言い方も分からないまま言わなくなって 入れない芝の上にも葉は落ちて火があればよく燃えそうなのに 糸端が裾から垂れるびろびろをむしり取る手に力を込めて ポケットに財布の入る...

【ブックレビュー】『それぞれの街に降る雨についての数行』(朱位昌併、千種創一、𠮷田恭大、2020年)

(執筆者:温) 「それぞれの街に降る雨についての数行」は、活版作家・増本綾プロデュースの活版印刷による詩歌の作品集です。 詩人の朱位昌併、歌人の千種創一、吉田恭大の三人による作品に、それぞれアイスランド語、アラビア語、中国語の翻訳を...
詩歌作品

【短歌30首】ラベンダー・サンダー — 谷川由里子

  ラベンダー・サンダー    谷川由里子 ドクが胸に挿したのもピーターラビットのうさぎたばこもラベンダー くじけなかった日の満月はまるい月光に照らされる眼球よ はじめての外耳炎のはじめての薬疹のラベンダー色のあと ぺらぺらと捨...
杉原一司歌集刊行記念

【杉原一司一首評/乾遥香】沈黙のたのしさを知りそばに居るひとよあなたをしんじつ愛す

(執筆者:乾遥香)    沈黙のたのしさを知りそばに居るひとよあなたをしんじつ愛す  杉原一司 「沈黙のたのしさを知りそばに居る」という「短歌」らしい、よい関係性の切り取りは、相聞的な「ひと」に対する修飾として適切に思える一方...
杉原一司歌集刊行記念

【杉原一司一首評/青松輝】かつて我身をゆさぶりし激情のかへりくる日は虹かかりをれ

(執筆者:青松輝)   かつて我身をゆさぶりし激情のかへりくる日は虹かかりをれ 杉原一司 僕は22歳で、頼まれてこの評を書く。 杉原一司のことはよく知らなかった。塚本邦雄の親友、前衛短歌の先導者、夭折。それだけだ。 ...
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